まずは、長野県諏訪市にある上諏訪温泉です。諏訪湖が広がるこの地は、強い力を蓄えたパワースポットが点在していることでも知られています。
諏訪湖を取り囲むように4か所の境内を持つ諏訪大社は、その代表格。全国に約25,000もの社を持つ諏訪神社の総本社で、日本で最も古い神社のひとつです。最もパワーが強いと言われている上社本宮の御神体は、背後にそびえる守屋山。下社春宮の御神体は、境内に立つ杉の木。"本殿がない"ことも、古代の神社の特徴の表れなのだそう。いずれの社も、異なる雰囲気を携えています。4か所巡って、自らに合う"気"を探してみるのもおすすめです。
なお年始は、元旦の歳旦祭に始まり、1月3日の元始祭、1月15日には上社で田遊神事が、下社で筒粥神事が行われます。祭事に合わせてお出かけして、その厳かな雰囲気をぜひ味わってみてください。
そして「万治の石仏」も訪れてみたいところです。諏訪大社下社の春宮から歩いて5分の距離にあります。石仏が生まれたのは明暦3年(1657年)。石で大鳥居を作り、諏訪大社に奉納しようとしたところ、巨岩にノミを入れた際に血が流れ出たとのこと。驚き、恐れをなした石工は鳥居を作るのではなく、阿弥陀様を彫り進め、霊を清めながらこの石仏が作り上げられたそうです。
時は流れ、地元では「あみだ様」と親しみを込めて呼ばれた石仏が、世の中に広く紹介されたのは1907年代のこと。諏訪大社の御柱祭を見物に来た画家の岡本太郎氏が石仏を絶賛したのです。国内外の原始的な石仏も数多く見てきた同氏が「こんな面白いものは見たことがない」とまで言い切りました。諏訪大社同様、原始的なパワーが放たれている...そんなふうに感じさせてくれます。
さて、ここで温泉をご紹介。上諏訪温泉にはいくつもの旅館があり、日帰り入浴可能なところも多々あります。その中であえてご紹介したいのは、諏訪市に位置する片倉館です。
2階建て木造洋風建築の大衆浴場は、シルクで財を成した片倉財閥が昭和初期に建設したもので、現在は国指定の重要文化財です。ステンドグラスや洋風装飾が館内の随所で見られ、「千人風呂」はレトロモダンな雰囲気に包まれています。お湯はもちろん、天然温泉です。
2階の大ホールも天井が高く、地元名物のお蕎麦や味噌カツ丼など、レトロな雰囲気の中でお食事することが可能。バルコニーからは諏訪湖が一望できます。諏訪大社と石仏、さらに間欠泉のある諏訪湖と温泉。パワーを充電する旅に、ぜひお出かけください。